月別アーカイブ: 2018年4月

実務に生かす「法のデザイン 創造性とイノベーションは法によって加速する」 水野祐著

この本を読んで、第一に弁護士の資格を持っているから弁護士の仕事をしている人が多い世の中で、水野さんは数少ないやりたいことを実現する為に弁護士の資格を持っていると感じる人だった。

本の内容は濃く、最初の方は何度か読み返して理解をしていき、途中分からない単語はGoogleで調べながら読み終えた。作者のこれまでの考えや経験が詰まっている書籍だと感じた。

法学部で4年間学んでいたが、聞いたことのない楽しい法律の話ばかりだった。恐らく入学当時に聞いたはずの契約自由の原則の“公序良俗に反しない限り、法律に縛られず、自由に双方の契約を実現しても良い”という事を社会人になってから考えることもなくなり、法を知ってその範囲内でサービスを考え事業を進めるという事しかしていなかった事に気づいた。
この前提があり、法律を、守らなくてはいけない守りの道具と考えるだけではなく、イノベーションを生む攻めの為の方向性からも考えていて、コンプライアンスを法令遵守と訳している事への疑問から、英語ではcomplianceにはWishが入っていることに注目をしていたり、アメリカの法はテクノロジーが萎縮しない余白を残している事が提起されていた。正にアメリカは「法のデザイン」をしている国だ。

また、GoogleやUBERにも言及していて、これらの企業は法律を上(官僚)から変えるのではなく、下(法人や個人)から変える発想の元にサービスを成り立つことを前提にしているという内容も非常に興味深かった。サービスを広めてくれる人が広めやすいように法設計をしていて、ルールメイキング→マネタイズを生んでいるという観点からの話も初めてでした。

様々な分野の章がある中で僕の関連する不動産(建物、土地、都市)の分野では新たな知識を得たいという希望と、知らない事があったら恥ずかしいという感情を併せながら読んでいた。 新たな発見としては、これから拠点を複数持つ人に向けてのサービスに価値を見出す人がいるという事だ。民法、宅建業法、借地借家法などの法律の解釈が必要だが、日本の人口が減少する中、①東京の人口の増加②地方の人口減少の加速が起きていく。

更に新築優遇の税制や法律が有る事で新築物件への脱却が必要な中で、このサービスは中古物件の活用を居住と宿泊の間のサービスと位置付けて展開している所が面白かった。

「そうだ、葉っぱを売ろう!」横石知二著を読んで考えるマーケティング

ちきりんさん「マーケット感覚を身につけよう」を読んで、その中で紹介されていた「そうだ、葉っぱを売ろう!」を読もうと思い、即日新宿ブックオフで購入。
地方創生という言葉を表面的な意味でしか分かっていなかったことを知る事が出来た。
「マーケティング」「地方創生」とカテゴリーで括るとなんとなく理解できたつもりになるが、この本を読むとそこにある根本は「人を動かす力」「自分達の持っている資源の何が売りになるか」を徹底的に考える力なのではないかと思った。横石さんは現場を一番知り尽くしていて、現場がどうすれば最大限の価値を発揮できるかを表面ではなく突き詰めて考えている人だと思う。

結果、年金暮らしのお年寄りが所得税を納める様になり、診療所やデイサービスに行っていた人たちが働き、役場や農協に集まり朝から酒を飲んでいた人達が来なくなった。
そして、様々な賞を受賞したり、TVで取り上げられ、海外の大使が来て自分たちの街を誇りに思うようになる。
これは、自分が今まで所属していたどこの企業でもクラブチームでも、部活でも組織にとってもお手本をするべきところがある事例になる本だと思う。

一時期話題になった、地方の「花嫁対策」に支援金を出していくのに大反対をしたい問う事にもその考えの深さを感じる事が出来る。
×これは地域に魅力がない→そこに住む男にも魅力を感じる事が出来ない。
○産業を育てる→住民や地域に魅力が出る→花嫁や後継者問題は解決できる。
魅力がない町に嫁いでくれる人も居るのかもしれないが、廃れていく仕事をしている人に魅力を感じる事は難しいのではないか。
その根本的な仕事を解決していくことを考えた横石さんはその後のことも考慮した時にこの様なことに反対したのだと思う。

本の中で出てくる「やる気を育てる」「場面づくり」については自分の仕事に生かせることが大きく感じた。
パソコン、使う人が見たい情報がそこにはなかったら「ただの箱」単純に、自分に当てはまる事や、自分の利益になる情報が有れば見る。
葉っぱの値打ちは売っている値段の5%しかない。残りの95%は「場面」→「価値」→「情報」→「仕組」の渦を巻いて評価されて売れる中から生まれてきている。例えば、売れる場面を想像するバナナやミカンを新幹線で1個で売って、ごみを入れる袋をつけておくなど。

村上龍さんがこの本の帯でも書いているが、「その土地に生きる一人一人が目標と生きがいを持てるかどうか」と書いているが、まさしくこの本ではその事が熱と想像力を刺激して伝えられる。机で数字で考えるマーケティングではなく、現場の人や物に直結するマーケティングを学べたと思う。