「キャズム」書評 ジェフリームーア著

【書評】
良くキャズムを超えたなどの表現を聞くが、この本を読んでその概念が理解できた。
キャズムの考え方は、『最初の市場の見つけ方』『キャズムを超える為の方法』の考え方で発見がある。
特にマーケットリサーチによる数字での分析はよく行うケースが有ったがキャズムの考え方は数値ではなく、『顧客が感じている痛みの大きさ』からターゲット・カスタマーを決めるという内容は個人的には芯に落ちる部分があった。
そしてキャズムを超えるためにはそこでの成功を見直すという戦略の重要性を学べた。
90年代のアメリカの事例が多くピンと来ない内容も多く、発売されて20年以上たっているので顧客のターゲットが業界をまたぐ事を良しとしない考えは現在のSNSや薄く広がりを持てる時代背景にアップデートして考える必要はあると感じた。
ニッチで解決が必要な市場を見つけたして、テクノロジーで解決するというシンプルで当たり前のことかもしれないが、これから新規K事業を実践する為にはに参考になった。

【要約】
キャズム 実践
ゴール:キャズムを超える事
キャズムはどこ?→Early AdopterとEarly Majorityの間

言葉の定義
Innovators/Early Adopters/Early Majority/Late Majority/Laggards

キャズムの場所

・Innovators(Technology mania)
~~~~~↓~~~~~~~~~~~
・Early Adopters (visionary)
~~~~~↓~~~~~~~~~~~
~~~~~↓~~~~~~~~~~~ キャズム
・Early Majority(実利主義者) Main Stream市場
~~~~~↓~~~~~~~~~~~
・Late Majority(保守派) Main Stream市場

・Laggards(懐疑派)

■Early Adopters (visionary)
・求めている物→変革のための手段、Break Through
・新たなテクノロジーの可能性を真っ先に見出そうとする人達。先行事例のある商品は敬遠する。
・未来を体現しようとする人たち。

■Early Majority
・求めている物→生産性を改善するための手段

■キャズムを超える為に必要な事
・再検証→現在の顧客グループに対するマーケティング戦略が功を奏してきたとき、次のグループに対して全く新たな戦略を採用しなければならない。
●方法→支配できそうなニッチ市場をターゲットとして、ライバルを追い払い、そこを起点として更に戦線を拡大する。
①ニッチ市場を攻める
・ホールプロダクトを提供する
・口コミを利用する
・マーケットのリーダーになる=マーケットの支配を目標→シェア50%以上をとる。「小さな池で大きな魚になる」
実利主義者がマーケットリーダーから購入したい→口コミがベンダーを支える
②次のマーケットセグメントを選ぶ
・大きな利益が出る場所
・最初のニッチ市場でのソリューションを活用できるような市場を念頭に置く事

●事例1
特定のニッチ市場の要求には万難を排して答える。その他のニッチ市場の要求に対しても、持てる経営資源を総動員して応える。

●事例2
・ターゲットマーケットの決め方→NG:顧客の数 顧客が感じている痛みの大きさで決める!
・キャズムを超える標準パターン
現場部門が発端→経営層が決断→社内の技術部門がそれを遂行する
・一番ピンを倒して橋頭堡を築かなくてはいけない。ここで重要なのは、先ほどと似ているが一番ピンの大きさではなく解決されるべき問題の経済価値が重要

事例3
機能を削ぎ落とすことによって成功を収めた。

★新テクノロジーを支えるのはエンドユーザー
1つの業界を選び、そのマーケットに製品を浸透させる。それから次の業界に目を向ける。

欠点
製品が浸透する速度がマスマーケットに比べて非常に遅い。

やるべき事
★100パターンから困っている重要度が大きいことを見つける。
★数値的な分析ではなく、情報に基づく直観

解決するべき課題 P161
・ターゲットカスタマー
・購入の必然性
・ホールプロダクト
・競争相手
======↑最重要項目
・パートナーと提携企業
・販売チャネル
・価格設定
・企業のポジショニング
・次なるターゲットカスタマー
————↑第二段階として評価される

上位4つの最重要項目のいずれかで低い評価が与えられたシナリオは、将来の橋頭堡から除外する。
判断に迷ったときは、『購入の必然性』の項目が高得点を獲得したシナリオを優先するとよい。
最終的にただ一つのシナリオに絞り込むまで徹底的に検討を加える。

ホールプロダクトマーケティング=『部隊を集結する』時の考え方のベースとなる。 P178
「購入の必然性」が存在するマーケットセグメントをターゲットにする事。
キャズムを超えるために必要な「ホールプロダクト」=『購入の必然性』に答えるホールプロダクト

・コアプロダクト(最重視)→実際に出荷される製品 購入契約書に記載されている機能
・期待プロダクト→購入目的を満足させるために最低限そろっていなければならない製品とサービスの集合体 e.gPCのモニター
・拡張プロダクト→顧客の購入目的を最大限に満たす製品
・理想プロダクト→顧客に提供される機能の理論的上限

★実名が本当に必要な層とは?受益者負担 信託銀行の例を見る
どこの層が見るか?そしてそれを欲している業者がターゲット。 そもそも実名化?
提携
ホールプロダクトとして何を顧客に提供するかを先ず決定して、そのホールプロダクトを短期間で作り上げる為に戦術的提携関係を構築するというのがキャズムを超える時の「部隊の集結」の本質である。

メインストリームの実利主義者にとって競争相手の存在は必須。購入の意思決定を正当化する。

代替手段が存在→ターゲット・カスタマーを定義しやすくなり
対抗製品の存在→新しいテクノロジーに対する信憑性が高まる

■ポジショニング
名詞 企業あるいは製品のあるがままの特質を表すもの
「究極の目的」→ターゲットカスタマーの頭の中に「この状況ではこの製品を購入するのがベスト」という観念を植え付け、それが未来永劫消えないようにすることである。
「誰が」「何のために」

★販売チャネル  どこになるか

最終章
キャズムを超えたとの企業の運命は、キャズムを超える前に顧客に約束したことを果たせるかどうかで決まってくる。
=メインストリーム市場で3守れなくなるような約束は、キャズムの前にしない。

キャズムを超える時に最優先されるべきはメインストリーム市場を代表する実利主義者の満足度を高める事。

【実践で生かす為には】
①最初の戦術は攻略地点の決定
その為に、【本当に困っている人は誰か】を探す。そしてEarly Adopter=visionaryの分野で【小さな池の大きな魚】となりシェアの50%以上を取る。支配できそうなニッチ市場をターゲットとして、ライバルを追い払い、そこを起点として更に戦線を拡大する事が必要
方法としては
1 シナリオを考える。その際、数値的な分析ではなく情報の直観的な判断が必要
2 下記4つの重要項目に点数をつける
・ターゲットカスタマー
・購入の必然性
・ホールプロダクト
・競争相手
特に【購入の必然性】が最も重要
3 最終的にただ一つのシナリオに絞り込むまで徹底的に検討を加える。

②次が侵攻部隊の集結
③3つ目に戦術の見定め
④最後に作戦の実行

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